獣姦

◆7月18日(金)  07:00  日本橋本町 X製薬本社

 経営企画室特命PROチームの小柴は誰もいないオフィスにむかって「おはようございます」と声をかけた。新人研修時代、MR研修で叩き込まれた癖だ。「MRはな、病院を歩いている人みんながお客さんなんだ。顔を見たら、いいか、かならずこっちから挨拶するんだぞ」と当時の研修課長の檄を思い出す。
 そしてパソコンを立ち上げ、メールを開く。ここまでは毎朝の儀礼的行動だ。しかし、今朝はとんでもないメールが届いていた。
「あの厚労省の馬鹿局長、ニューヨーク出張だとばかりおもっていたら、とんでもないこともいってきやがった」

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From: ****
To: koshiba
Sent: july 17, 2003  0830
Subject: 宜しく頼むよ
……
ニューヨークの学会は盛況のうち、閉会しようとしている。
なかでもジョンズ・ホプキンス大学の実力教授 K.ノグチ先生と知り合えたのが大きかったよ。日系4世ということもあるんだろうけどね。公的にも趣味的(わかるだろ)にも息投合してね、今度の土曜日にボルティモアのご自宅で開かれるホームパーティにお誘い受けたんだ。そのときに、やはり手土産をもっていきたいんだよ。
日本のTVの話をしたら、すごく興味を示してね。ついてはさ、ノグチ教授があっというようなフイルムを至急撮って送ってくんないかな。こっちの時間でいうと、19日の土曜日の朝までにだよ、DVDのデータを送ってよ。
僕が泊まっているマリオットのビジネスセンターには言付けておくからさ。光ファイバーで送ればたいしたこと、ないだろ。
話はこんなのが、いいなあ。ノグチ教授も気に入ってくれるよ、絶対!
これでお宅の会社もジョンズホプキンスで顔だよ
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「こんな事、おれたちじゃできないぜ....」 小柴は深くため息をつくと、顔を両手で覆った。
「しかし、あの局長は一度いいだすと、絶対聞かない奴だからな。まるで金正日かフセインみたいなやつだからな...」
 決断しかねているが、小柴もサラリーマンである。厚生労働省について統括している山崎専務にこのクソメールの件を報告した。すると山崎専務はその上品な顔からも想像できない事を言い出した。
「まっ、きれいごとだけじゃ仕事はすすまないよ。ダーティワークも必要だよ。ここに電話して相談してみなさい。陳という奴だが、奴はどんなことでもやってくれるよ」
 こういうと山崎専務はポストイットに8ケタの電話番号をメモして、小柴に渡した。



◆ 7月18日(金)  23:50  板橋区 都立J公園

 遠くに見える時計はもうすぐ午前零時になろうとしている。
 さすがにこの時間になると、犬の散歩やジョギングする人もいなくなる。しかし、野球場の裏にある児童公園だけは別だ。
 ジャングルジムの横に、夜目にもはっきりわかる“美少女”が立っている。玲子という名前でここでの人気者だ。いや、女装子愛好者のネットでもよく知られている。今日は白のブラウスにチェックのミニスカート、ルーズソックスにスリッポンという女子高校生そのものだ。 髪もセミロングの自毛で、シャンプーの香りが男心を誘う.....。
「ちょっと、早いかな...。まだ誰も来ていないわ」
 ハッテン場というのは、時間にきまりはない。早い時間に大勢集まる事もあれば、夜明け近くに大盛りあがりになることもある。
 1人で待っているのはいやだから、ベンチに座って友達の女装子にメールを打っていると背後に2人の男性の気配を感じた。
「Kさんかな、それともYさんかな....」
 慣れているとはいえ、プレイの始まりはいつもどきどきする。
 2人は玲子を挟む様に黙って座った。おかしなことに深夜だというのに2人ともサングラスをしている。まず1人が荒々しく両脚を開かせると、まだ柔らかいペニクリをやさしくゆっくりと愛撫し始めた。
「アーン....」
 もう一人は、バイブレーターを取り出すと、ブラジャーの中の乳首にあてがった。
 ビビビビビビ.....
 細かな振動が性感帯である乳首を通して、全身に広がっていく。そしてのその広がりのパルスは玲子のペニクリをはちきれんばかりに固くした。
 女子高校生らしい綿パイルの白のショーツの股間に染みが広がり、はっきりとしたペニクリのバナナのような形がショーツの中で浮かび上がった。それはまさにかわいい女子高校生にはまったく不釣合いなくらいの大きさだった。
「でかいな....」
片方の男がいう。
「ああ、これくらいあればいいだろう....」 
もう1人も素早く確認し、目配せをした。

 そして次の瞬間、玲子は、自分の首筋に冷たい金属が押し付けられたことを知った。
「何、これ? ナイフ?」
「その通りだよ....。俺たちにちょっと付き合ってくれないか? 御礼はたっぷりするからさ.....」
「いやよ...」
「おとなしく言う事を聞いてくれないかな。俺も手荒な事はしたくないんでね」
 凄みのある声だ。そのときもう一本のナイフが玲子のペニクリにつきつけられた。
「いくら女装でも、こんなところでちょん切られたくないだろ...」

 数分後、2人の男に抱きかかえられた“女子高校生”は公園の柵外で待っていたクラウンに無理矢理押し込まれるように乗せられた。そして次の瞬間、甘い香りのする液体をかがされた玲子はたちまち意識を失ってしまった。
「薬品はさすがに取り扱いになれているねぇ」 運転する男が後部座席の男を冷やかした。
「バカ野郎...」
 その男は苦笑いを浮かべし、車を降りた。
「じや、気をつけてな....」


◆7月19日(土)  1:30  港区赤坂 ウィークリーマンション

どのくらい時間がたったのだろうか。
意識を取り戻したとき、玲子はどこかはわからないマンションの一室に連れて来られたことがわかった。公園で着ていた制服はそのままだが、両手には手錠がつけられている。
「どこよ、ここは? どうして、私はここにいるのよ? だれかいないの?...」
玲子の顔は恐怖に歪み、涙がとめどもなく溢れている。

「お目覚めですか? 玲子サン」
公園の男の1人がドアを開いて入ってきた。サングラスに黒のTシャツ、ズボンも黒だ。
「.........」
「ご無理にこんなところにお連れして失礼いたしました。玲子さんのお噂はかねてから聞いておりましたので、いちどぜひ遊んで頂きたいと思っておりました」
「どうしてこんなやり方で連れてくるのよ」
「まあ、これも一つの趣向でありまして.....」
「いやよ、これをほどいて! 私を自由にして! 早く帰して!」
「いえいえ、ぜひともご協力いただきたいと存じます。些少ではございますが、ご謝礼もご用意しております」
「絶対いや!! 帰してよ!」
「そんなことをおっしゃらないでください。女装の人気者・玲子さんの素顔はとてもご立派な会社にお勤めでいらっしゃる。株式は上場されるし、汐留にもビルを立てている。そんなところに、ある日突然、営業部長や人事部長にこんな写真付のメールが送られるのは迷惑とおもいますよ」
「なんでそんなことを知っているのよ.... 私が気を失っているうちに、さがしたのね」
この瞬間、玲子は絶対に拒否できないことを悟ったのだった。

玲子の表情を読んだ男はガラッと態度と口調を変えた。
手に細身の鞭を持ち、ピシリピシリと顔に当てながら、こう命令した。
「ほら、トロトロしないで隣の部屋にいくんだよ!」
そして、一発、きつめの鞭をビシンと玲子の背中に見舞った。

 開脚縛りのまま、連れてこられた部屋は明るめの照明になっており、左右2個所のデジタルビデオカメラがあり、カメラマン役の男が二人(これも覆面をしている)が玲子の姿を追っている。ビデオカメラはDVDレコーダーに接続されていて、長時間の録画も大丈夫なようになっている。
 男はまた丁寧な口調に戻り、カメラに向かってしゃべり始めた。
「さあ、今夜は日本一綺麗な女装子ちゃんの玲子さんをお招きしてのライブショーです。動物好きな玲子さんはワンちゃんにも愛を与えているのです。今日はシェパードのピーター君との愛の交歓をお楽しみください....」
 男は獰猛な面構えをした巨大なシェパードを引き出してきた。
(犬なんだわ! まさか犬と.....)
 玲子は思わず目を背けた。

 その反応で男の加虐の導火線に火がついたらしい。
 開脚縛りのまま、スカートをめくり、白のショーツの前の部分に、白いコンデンスミルクをたっぷりと垂らし、次の瞬間、ピーターのリードを放した。ピーターは大好物の匂いに堪らず、玲子の股間に頭を突っ込み、長い舌でショーツの前の部分をペロペロペロと美味しそうに舐め出した。
 玲子はおぞましさのあまり、必死に脚を閉じようとしたが、男たちがそれを許さない。
「あっ、あっ、あっ、いゃぁぁぁぁ、やめてぇぇぇ」
 大きな叫びがを部屋中に響き渡るが、誰も意に介さない。
 ピーターはたちまち全部を舐め終えたが、男はすぐに次のコンデンスミルクを垂らし、ピーターに舐めさせる。
 その繰り返しが3回続いたときだった。ピーターの舌の感触に玲子のペニクリが反応したのだった。
「あれあれ、玲子お嬢さん...。あんなに嫌がったのに、ピーターのなめなめで、興奮されてるんですねぇ...。ははは...」
 男の嘲笑が玲子は悔しかった。しかしペニクリスが固くなってしまったのは自分でも制御が利かないのだ。

「ほらほら、ピーター、固いアイスキャンデーだよ! たっぷりとお舐めなさい!」
 男はこういうとまさに白いアイスキャンデーにするように、新しいチューブからコンデンスミルクをたっぷりと玲子のペニクリスに垂らしたのだった。
 ピーターは大喜びで尻尾をふりながら、玲子の固くなったものをその赤い大きな舌で下から上に舐めあげ続けた。そしてその度に玲子は悲鳴とも歓喜のあえぎともとれる官能的な声を上げ続けさせられたのだった。
 コンデンスミルクによる責めは10分以上も続いたが、さすがに用意した全部がなくなった。無論、これで終るほど甘くはない。リードを引っ張り、手で「待て!」と制止するとピーターはきちんと「伏せ」の姿勢をとった。さすがにきちんとトレーニングされている犬は違うものだ。

 男は玲子の手首と足首をつないでいる拘束具を外した。しかし、これで帰してくれるというわけではない。むしろ、クライマックスへの準備だといってもいいだろう。
「さあ、玲子ちゃん。手足が自由になったところで、四つん這いになって、尻をこちらにむけてごらん!」
 言葉遣いはやさしいが、鞭をピシリと玲子のお尻にあてた。その痛さと恐怖で玲子は抵抗する気などなくなっている。あれだけJ公園では女王様気取りだった女装子が、いまはボロボロを涙を流しながら、四つん這いになってお尻を犬に向けている。
 制服の白のブラウスは汗でびったりとくっついていて、ブラのラインがはっきりとわかっている。ミニのチェック・スカートは捲り上げられ、裾をウエストに挟みこまれている状態だから、ビショビショになった白のショーツが丸見えだ。

「あれあれ、こんなにショーツが濡れちゃって....。これはもういらないんだよねぇ..」
などと軽くいうと、公園で使ったナイフを取りだし、サイドの部分をサッと切ってしまった。先ほどまで白いショーツだった布が床に落ちると、そこにはペニクリスをつけた美少女が四つん這いになって、恐怖にすすり泣いていた。

 男はゼリー状の薬剤を玲子のアナルを中心に下腹部全体に塗りたくった。
「こいつはね、犬のメスの匂いをいれた興奮剤なんだ。ある製薬会社が開発中のものなんだが、よく効くんだそうだ....」
 ある会社とは当然X製薬だ。動物用の薬剤もいまではそれなりの市場があるという。


「いやぁぁぁぁ、そんな薬、私のお尻に塗らないでぇぇぇぇ」
 玲子も馬鹿ではない。その薬でピーターがどうなるかは予想がついた。
 次の瞬間、玲子の予想通り、メスの匂いに昂奮したオスのピーターは息を荒げて、玲子の尻の間に顔を突っ込んだ。びちゃびちゃとアナルを舐める淫靡な音が部屋中に響く。
「いや、いや、いやぁぁぁぁぁぁぁ」
「やめさせてぇぇぇぇぇ」
 玲子の悲痛な叫びもこだまする。しかし、自分のアナルを犬に舐められ、悲鳴をあげながらも玲子は腰をくねらせてしまっている。ピーターは興奮して「ハッハッハッ...」という息をはきつづけている。


 そして次の瞬間、シェパードの腹部から赤いペニスがせり出してきた。人間のペニスとはちがった色と形で、見ている男たちからも感嘆の声があがった。
「ほら、ピーターがこんなに昂奮してるぞ! さあ、フェラチオしてやりなさい」
 男は玲子の黒髪をつかみ、シェパードの股間へ顔と口を近づけた。
「いや! 許して!」
「おいおい、いい場面じゃないか。ビデオに撮るには最高だよ。ジャパニーズ・TVガールがドッグのペニスをフェラするなんて、世界中がみたがるぜ....」
 哀願する玲子を冷酷に鞭打ちして、無理やりに勃起した犬のペニスをくわえさせる。
「いやぁぁぁぁ.....」
「どうだい? わんちゃんのペニスの味は? ピーター君はご機嫌だよ。気持ちよさそうじゃないか」
 犬がクーンと鳴いた。男は司会のようにカメラに向かってしゃべりだした。
「さあ、準備完了です。さあ、雌犬になった玲子がピーターに犯される本日のクライマックスをお楽しみください....」
 玲子のフェラチオでさっきより大きくなったペニスを押し立てて、シェパードの巨体が玲子を背後から襲った。前足で玲子の上半身をがちっと抱え、腰を打ち付けて来た。
玲子の体はピーターの重みで押しつぶされそうだ。
 男が手助けすると、犬に舐められて濡れそぼった玲子のアヌスにピンク色の犬のペニスが挿入された。


 「ハッ、ハッ、ハッ......」
 ピーターは野獣の本性の雄叫びを上げ、玲子の背に鋭い爪をたてた。彼は玲子のアヌスの感覚にいいようのない快美感を味わっているのは間違いない。
 そしてやがてグイグイと腰を上下させてピストンを始めた。
 「クーン、クーン」とピーターは甘いそしてせつない声を出しはじめた。
 「いや、いや、いや、いやぁぁぁぁぁぁ」
 「あん、あん、あん、あーん......」
 屈辱感と恐怖感と快感が複雑に入り混じった女装子はやはり喘ぎ声を上げつづける。
 するとピーターがブルブルブルと震えて、1度目の射精を行なった。
 「アッ、アッ、アッ....いやぁ〜〜」
 アナルに犬畜生の熱い射精を受ける玲子は、その感覚と屈辱感に気を失いそうになる。


 そこにすかさず、男の鞭が入った。
 「おいおい、気を失うのはまだ早いぜ! ピーターは一度じゃすまないんだよ。抜かず三発でないと満足しない助平な犬なんだよ.....」
 男が言うとおり、射精しても犬は玲子を離そうとせず、玲子を征服しきったような顔をして玲子の背を押さえつけている。そして、数分してまた射精した。
 「ああぁぁぁぁぁぁぁぁ、イクゥ..............」
 玲子は錯乱した声をはりあげた。しっかり挿入されたシェパードの陰茎は、玲子の直腸内で微妙に蠢き、粘膜や前立腺を刺激しているようだ。
 やがて、犬がひときわ高く鳴いた。
 「クォーーン!」
 三度目の射精がきた。そしてそれを受けた玲子の背がのけぞった。女装子の玲子が犬にアナルを犯されて絶頂に達した瞬間だった。それを左右のデジタルビデオカメラは冷徹に撮影している.....。


◆7月19日(土)  5:15  新宿・小田急サザンタワー1階 キンコーズ新宿南口店

男は早朝で誰も居ないキンコーズのドアを押した。
「いらっしゃいませ」
「windowsのパソコンを貸してほしいんだが....」
「では、こちらのパソコンをお使いください」
「かなり重いデータをニューヨークに送りたいんだが、大丈夫かな?」
「キンコーズは光ファイバーでのネットワークですから、大概のデータは大丈夫ですよ」
「じゃ、やってみるか....」
 男はパソコンの前に座ると、カバンからDVD−Rのディスクを取り出し、ドライブに放り込み、ニューヨーク・ホテルマリオットマーキーズのビジネスセンターにデータを送り始めた。
「ニューヨークはまだ金曜日の夕方だ...。なんとか間に合ったようだな....。おっともうひとつメールを送っとかなきゃ...」
 もう一つはX製薬の小柴へだ。たった1行のシンプルなメールで『ノウヒンカリョウ。$10000』とだけだ。
 
 キンコーズの店員にパソコン使用料420円を支払うと男は早朝の新宿に歩き出した。
「さてと、バドワイザーでも飲みながら、衛星でヤンキースのゲームでもみるか....」
<おわり>

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