A大消化器内科のK教授


ジュンはある製薬会社のMRだ。

 しかし入社3年目でまだまだ新米。そしてジュンの会社も画期的な新薬ができず、かといってガツガツした営業をするほど泥臭くは行動できない風土に甘んじている。そしてずるずると国内最大手のT社や外資系製薬会社にシェアを奪われていった。
 そして、ジュン自身もおとなしい性格もあり、営業成績もずっと予算未達のままだった。しかし、そんなジュンの成績がみるみる間に伸びていったのだ。
「すごいですね、こんなに営業のセンスがあると思いませんでしたよ」
 医薬品卸の担当課長が感嘆の声をあげた。

 MRは医薬関係の情報をドクターに定期を提供するが、納品・請求は医薬卸会社から行われる。
「A大の消化器のK教授にかわいがってもらってるんですよ。偶然、同じ都立高校の先輩後輩だったということがわかりましてね」
「へぇ、そうなんですか。そうなると強いですよね」
「まあ、いろいろとご接待はたいへんですけどね」
 たしかにジュンはK教授に可愛がってもらっている。それは週に1回、都内の最高級ホテルで、女装させられて歓喜の声をあげるという「ご接待」も含まれてはいるが....

 K教授は、女装して化粧も終わったジュンを鏡に向かわせ後ろから抱きしめ、スカートの中に手を入れてくる。耳たぶを甘噛みしながら、首筋からうなじにかけ手に熱い息を吹きかける。
 反対の手はジュンのニットのワンピースの上から、ブラジャーの中の乳首を指で刺激する。そうされると、ジュンは自然と身体が反応し、ストッキングに包まれた足を広げてしまうのだ。鏡の中には、若い娘がいた。スカートに手を差し込まれ、胸を愛撫されながら、だらしなく足を広げている、淫乱な娘が。赤い唇からは間断なく熱い吐息が漏れ、ほおは差恥に染まっている。それが自分だと思うと、ジュンはいっそう興奮した。
「ああん、たまらない」
「ふふふ、いやらしいのだね、ジュンは。スカートに手を入れられて感じているぜ」
「ああん、Kさんにのイジワル....」

 


 女言葉でジュンが悶える。しかしK教授の手は容赦なく太股を這い上り、ジュンの股間にまとわりつく。K教授の愛撫のテクニックは相当な物だ。決して強すぎず、かといって弱くもなく、ペニスを甘くもみ上げる。たちまちパンティとパンストを突き破らんばかりにジュンの肉根は膨張する。先端からはとろとろと先走りが流れ、パンティに染みさえつくりだす。
 この愛撫にたまらず、ジュンはハアハア息をつきながら腰を突き出す。スカートは腰までまくれあがりパンストに包まれた太股がわなわな震える。目の前がピンクになりかけたとき、意地悪くK教授の手が止まる。パンストに包まれたつま先が反り返る。腰から下がとろけそうだ。


「どうしてですか....。続けてください.......」
ジュンは続くと思っていた行為をいきなり止められて困惑した。
「どうしても続けてほしいのかい?」
意地悪くK教授は訪ねる。まるでこれ以上愛撫に関心がないような表情である。
思わずうなずくジュンに、
「淫乱だよね。ジュンは」
そう言いながら乱暴にジュンのスカートを腰までまくり上げた。パンストがウエストラインまであらわになる。思わず手でスカートを押さえるジュンに、
「かわいいよ、ジュン」
とK教授にささやかれ、身体から力からが抜けてしまう。

 そしてK教授はジュンのパンティストッキングをパンティといっしょに膝下まで下げると、ジュンに自分の太股を抱えるように命じた。
アナルまで見せる淫乱開脚ポーズだ。アナルが鏡の中でうでうごめいている。その持ち主は、若くてきれいな女装者だ。今から始まる行為に期待して、頬を染めて興奮している。
「ふふふ、いいよ。そのかっこ。淫乱なジュン君にぴったりだね」
 K教授にそう言われると、いっそう被虐感がたかぶりジュンは興奮する。
 K教授はジュンの股間にひざまづき、顔をジュンのペニスに寄せた。
 次の行為は言われなくてもわかっている。

 K教授の男性とは思えぬほど形の整った唇がジュンのペニスを呑み込んだかと思うと、唇を輪のようにしてしごき始める。
ぐっとのどにつかえるまで呑み込んだかと思うと、今度は舌先を敏感な雁の部分を這わす。時折上目つかいにジュンの苦悶する表情を眺めながら、K教授のオーラルは激しく続く。
 その間も、K教授の柔らかい手はジュンの股間をはい回り、肉根の根本からアナルにかけてをまんべんなく愛撫している。
ジュンは自分のペニスがK教授の生暖かい口腔の中で、翻弄されるように感じた。
せつない息がジュンの唇から漏れる。
 K教授はフェラチオを続けながら、ジュンのアナルにベビーロションを塗り込んだ。そして毎日の患者の触診で鍛えている指をジュンの中心に突き入れる。

「あうっ」
 思わず身体を固くするジュンに、
「リラックスするんだよ」
 とささやいて、さらに指を進めた。
 K教授のテクニックは抜群だ。ジュンの前立腺を巧みに刺激し、絶頂に追い込む。
「はあ、はあ、あうう」
 ジュンはたまらずに腰をふるわせた。もう限界だ。白濁液をK教授の口腔におびただしく放つと、オルガスムスを迎えた。

「ふふっ、ごちそうさま.....」
「すみません....」
「そんな、謝る必要はないさ...。いい気分だからさ、おれは....」
「........」
「医者なんて因果な商売だぜ。外来なんて毎日毎日死ぬほど患者が来る。それを捌くのはもう医療なんてもんじゃないさ。ありゃ、ビジネス...........、いや、工場の流れ作業かな?」
「.................」
「まあ、どっかで、非日常の体験をしないとねぇ....」
「...............」
「こん次はさ、セクシーなランジェリーを用意しておくからさ.....。それを着てオレを挑発してくれよな! たのしみにしているよ...」


『まあ、こんなやり取りは社内LANの営業日誌にはかけやしないよね。でも、どんなことをしても成績があがればいいんだよね。企業理念と社会貢献とかいってるけど、成果主義なんてこんなもんだよな..........』
ジュンは独り言を呟きながら、化粧ポーチのなかに隠してあったデジタルビデオカメラを取り出した...。
 <おわり>

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