白衣の天使


 ストッキングのパッケージを取り出すときは、いつもドキドキする。それは結衣が女装コンパニオンとしてベテランになってからも変わらない。新品のパンティストッキングを袋から取り出し、爪先まで丸めて脚を通す。そして、すべすべにした脚を軟らかく包む感触を楽しみながらゆっくりと引き上げる。両足を引き締める感覚、昼間の男性モードでは絶対感じることが出来ない肌触り。女装子が「女になった」とが感じる瞬間だ。そして結衣が今夜穿いたパンティストッキングは30デニールの白だ。

「さてと、お次は...」
 独り言をいいながら、結衣が紙袋から服を取り出した。それは純白のナースウェアだった。ブラもショーツも白にしている。
 倶楽部を出る時、玲子ママがこういっていた。
「この白衣はね、CXの「ナースのお仕事」で観月ありさが着ているものなの。渡辺雪三郎がデサインしたデザナーブランドよ。」
そう言われてみると、衿はやさしくカーブしているし、ポケットも切り替えがついていてフェミニンな感じがする。
「結構、可愛いんだ....」

 結衣はこういいながら、袖を通した。ポリエステルが90%のベルコット素材だから、いつものワンピースとは違っているが、そのほうがむしろナースになったような気がするから不思議だ。そして看護婦に必要なものがもうひとつある。それはナースキャップだ。丸型のキャップを取り出すと、ヘアピンできちんと止める。ウイッグだと外れる可能性があるので、今日はかなり長くなった自毛だにしてある。

 そして靴もナースシューズに履き替えて、鏡の前に立ってみる。そこには紛れもない「白衣の天使」がいた。ただ今日は優しく見られては仕事にならないので、冷たく厳しく見える細身の眼鏡をかけることにした。
「さて、今日の患者さんは誰かしら...。カルテ、カルテ...」
 もうすっかりその気になった結衣は、玲子ママから渡されたA4のメモを「カルテ」といい、今日のプレイの確認をし始めた。ただ結衣がいる場所は病院ではない。ここは大塚駅に近い大型ラブホのSM仕様の特別室なのである。それも医療プレイができるように、冷たい白の冷たいタイル張りであり、診察ベッドや婦人科用の開脚診察台が用意されている。

「準備ができましたから、じゃ、最初の患者さん、入ってきていいですよ」
 結衣はこう携帯で電話すると、3分後に男性がおずおずと入ってきた。ホテルの待合室でおとなしく待っていたのだろう。20代の若い感じの男性で、きちんとしたスーツを着て、見るからに頭がよさそうという感じがする。どことなく女子高生のスカートを覗いて逮捕されたU教授に似ていなくもない。
「こんにちは」
「よ、よろしく、おねがいします」
「田所智さんですね、トモさんでいいのかしら?」
「はい、そうです」
「健康保険は国家公務員共済組合のですね」
「は、はい」
「どちらにおつとめなんですか?」
「あ、あの、厚生労働省です...」
「あらあら、すごいところにお勤めなのね」
「........」
「今日はどうされました?」
 これを問診という。医者が診察する前に患者の状況をつかんでおくのもナースのお仕事だ。
「あ、あの、ウンチがでないんです」
「あらあら、便秘なんですか? どれくらいでていないんですか?」
「今日で5日目です...。すごくおなかが痛くて....」
「5日もですが...。痛くないですか....」
「凄く痛いんです、看護婦さん....」
 まあ、このやり取りはお約束だ。賢明な読者はもうお気づきだと思うが、厚生労働省の若手エリート官僚の智はMであった。たまたま「X製薬」さんに玲子ママを紹介されたので、結衣がプレイのお相手をすることになったのだ。そして結衣は玲子ママがくれた「カルテ」の通りに、智を苛めはじめているのだ。

「さあ、スーツを脱いで、そこにあおむけになってくださいね。おなかの張り具合を見てあげますから」
 結衣は、智を診察ベッドへ導いた。
「ま、まってください。こころの準備が...」
 いざとなると、智がひどく怯えていることが分かる。
『むりもないでしょう..。女装子にこんなことをされるなんてはじめての経験よね』と結衣は思う。しかし、どんなに智が厚生労働省のエリートのようふるまおうとしていても、結衣は今夜の智の生殺与奪を握っているのだ。

「さあ、スーツをぬいでください」
「ええっ、ここでですか?」
「そうですよ、ここでですよ」
「でも...」 智はどういうわけか躊躇している。
「さあ、早くしなさい!」
 結衣は少し厳し目にいってみた。その瞬間、智はびくっりして、怯えるような表情で結衣をみている。白衣を着たナースからこういわれると、大概の患者はいうことをきく。
智は意を決したようにスーツを脱ぎだした。上着をとり、ネクタイを外す。ブルーのワイシャツをとった。するとふつうは白の木綿シャツがでてくるはずだが、智は違った。でてきたのは白のナイロンのスリップだ。
「あらあら、かわいい下着ね、エリートさん....」
 こう蔑まれて智は下を向いたままだ。
「ふふ、はやくズボンも脱いでくださいね」
 しかし智はなかなかズボンを取ろうとしない。
「恥かしいです...」
「なにブツブツいってんのよ、早くしなさいよ!」
 結衣の口調もだんだん強くなってきた。白いナースシューズで智のつま先を踏んづけてやった。
「痛い! ごめんなさい」
「脱ぎなさいよ!」
「はい、脱ぎ..ます..」
 覚悟したように智はベルトを外し、ズボンを下ろした。上がスリップだから、予想通り女性用のショーツが表れた。このショーツも白でスリップとコンビネーションになっている。しかし、女性にはない固まりが前にあった。
「エリート官僚でも下着は女モノなのね。高そうなスリップとショーツですこと..」
「............」
「霞ヶ関では偉そうにしていても、パンティを穿いてよろこんでいる変態なのねぇ、智クンって...」
「すいません...」
「いいのよ、謝らなくても..。変態クンを苛めるの、大好きだから。」
「は、はい...」
「玲子ママには智クンの好きなこと、聞いているから、安心してね」
「おねがいします....」
 蚊の泣くような声でエリート官僚は返事をした。女装のナースである結衣にである。智は体毛が薄い方なのか、すべすべした肌なので下着女装は「絵」になっている。

「お通じがないそうね、ウンチは何日出てないの?」
「もう5日も出ていないんです」
「お腹が痛くなってたいへんでしょ?」
「はい、痛くて痛くてたまんないんです」
もうプレイは始まっていた。
「じゃ、この診察台に寝て下さい」
 結衣は黒くて冷たいビニールレザーの診察ベッドに智を寝かせた。確かに本人のいうように、便秘だ。いや、たぶん今日のプレイのために敢えて排便を止めて来たのかもしれない。白衣のナースである結衣は、幼女のようにぷっくらとふくらんだ下腹部を掌で触診した。

「ずいぶん、しこってるようですね。まず、おしりの筋肉をマッサージしてみます」
 智にショーツを少し下ろさせてから、結衣は両手に医療用のゴム手袋をつけた。白衣とゴム手袋をつけると本物のナースのような雰囲気がでてくるから不思議だ。そしてポケットからワセリンのチューブをとりだし、たっぷりと指先にぬりつけ、左手で、智のお尻のはざまをグイとこじあけた。
「あっ、いや、恥かしい....」
 見えない場所だけに、智は、声をひそませる。
「だいじょうぶですよ。すこしだけアナルをほぐしてあげるだけだから...」
 結衣は、中指を立て感じ易い蟻の門渡りを掻きながら、触れるか触れぬぐらいの愛撫を加えた。
「は、恥ずかしいです...。そんなところを看護婦さんに触られるなんて...」
 智はこの羞恥が堪らないようで、ショーツの前の固まりをヒクヒク動かし、よろこんでいる。
「かわいそうに、こんなに直腸が固くなってる...」
「痛いんですぅ、看護婦さん....。すごく痛いんですぅ」
 智はもうプレイの世界に嵌りきっている。霞ヶ関の高級官僚の卵ではない。ただの下着女装のかわいい坊やだ。そしてその姿をみると結衣はもっと苛めたくなるのだ。
「ガマンするのよ、男の子でしょ!」
 ピシリというと、結衣はワセリンを塗った人さし指を菊門にゆっくりと差し入れ、そして直ぐに抜いてしまう。クチュクチュと行きつ戻りつする結衣の指先の動きに、いつしか智は、わななきながら感じはじめている。
「あ、へんな気持ちです....」
 結衣の指はある特定の部位をやさしく丁寧に刺激している。そうすると何か身体の芯がしだいにとるけそうになり、智は思わず知らず結衣の指先をギュッとしめつけてしまうのだ。
「このあたりは、どうでしょ?」
 結衣は、いそぎんちゃくのように吸いつく感触に、智が崩壊しはじめるのは、もはや時間の問題だと、たかをくくりはじめた。
(このあとはイチヂク浣腸を使って、もっとおなかをゆるくし、浣腸器を使って徹底的に綺麗にしてあげなくちゃ....)
 結衣は人差し指にもワセリンを塗ると、それも智の肛門に差しいれ、出したり抜いたりの運動を続けた。
 恥ずかしさと肛門に感じる奇妙な痛みで智がりきむと、結衣の2本の指は外に排出されようとされるが、それとともに菊蕾も軟らかく広がってくるのだ。看護婦役の結衣の作業は教科書のように的確で、それを受けた智の下半身にはさざなみのような感覚が生じている。智の苦悶と快感の表情を冷静にみていた結衣は冷たく言い放った。
「アナルの準備はOKだわ。じゃ、最初はイチヂク浣腸をしてみようね、智ちゃん...」
「ええーーー」
 本当はしてほしいのに、拒否の声をあげる。まあ、お約束ではある。

 サイドのテーブルにはイチヂク浣腸の青いパッケージが4つ置いてある。だから合計8本のイチヂク浣腸があるわけだ。さて何本まで智クンは飲み込めるか。
「膝を抱えて、横むきになって!」
「あっ、はい....」
 お尻を突き出す恥ずかしい格好をさせられて智は震えている。羞恥だけではなくて恐怖もあるのだろう。女装ナースの結衣は智の太腿をこじあけ浣腸の先端を菊門の入口に押しあて、コチョコチョと擽ってみた。
「むずがゆいです...。ああ、どうするんですか?」
「頭のいい下着女装の智クンならもうわかってるでしょ。さあ、浣腸液が入ってゆきますよ。どうかな、この感じは........」
 ポリエチレン製で、グリセリン溶液50パーセント、30CCの浣腸液が、ピーチカラーの嘴管から直腸に注入されると、智はその液体の異様な冷たさに心臓が高鳴った。
「ああぁぁぁ、入ってくるぅ..。すごくへんな気持ちですぅ」
 冷たさと微かなむずがゆさを感じたした智は思わず感想を漏らした。
「智クンのようなひどい便秘じゃ1本だけじゃ、お通じは来ないと思います。8本全部つかってあげますね」
 結衣はそう微笑みながらクールに宣告した。ゴム球のついたエネマシリンジや200CC入りのガラス製浣腸器も準備してあるが、それらはもっとあとの楽しみにとっておくつもりだった。そしてむしろ即効性は小型のイチヂク浣腸の方が勝っている。

 結衣は2本目、3本目、4本目をとりあげて、プシュッ、プシュッ、と注入した。
「ハアーッ....。ひ、ひどい。たてつづけに入れるなんて....」
「がまんしてくださいね..」
「看護婦さ..ん..。なんだか、よけいおなかが張ってきました..。ぜんぶ入れないでくださいぃ...」
 智は、かたちのいい眉毛をしかめた。
 結衣が覗きこむと、菊穴はヒクヒクと動き出している。
 4本、5本、6本、7本......。
 つづけざまに注入されると、智の腹部は、ゴロゴロ鳴りだしてくる。

「いや、いや、つらいです、看護婦さん」
「まだ序の口でしょ。これで最後の1本です。これをいれたら、様子を見ますから、ガマンして下さいね」
「も、もう、もれちゃいます...」
「だめだめ、ガマンしてね。下着女装のぼうやちゃん」
「恥かしい...」
「ほら、自分であててごらんよ!」
 結衣は最後の1本も全部注入して、智のアヌスからゆっくりと抜こうとしたが、その瞬間的、浣腸液の飛沫を浴びて白衣に黄色いシミがいくつか出来てしまった。
「なあに、もう、お洩らしなの?」
「ご、ごめんなさい。ボク、そんなつもりじゃなかったんです.....」
 智は、息をつめて粗相をわびたが、もはや耐えきれなくなっている。
 それで許す結衣ではない。もうサディスティックな看護婦になり切っている。
「そうねぇ、診察台が汚れると困るから、女の子が生理の時に使うナプキンをあてていいわよ」
「ええぇ....」
 生理用ナプキンと聞いて、智の顔が輝いた。やっぱり変態クンだ。ロリエの薄型ナプキンをクロッチにあてて、智はショーツを引き上げ、診察ベットの上に仰向けになった。
「うふふ、はじめて生理になった中学生の女の子のようね」
「いやぁ、恥かしい....」
「じゃ、マッサージしてあげるね」
 結衣は、智のお腹を「の」の字を書くようにマッサージしはじめた。これは腸の蠕動を促進する有効なマッサージで、看護術の基本である。ほどなく智のお腹はグルグルと鳴り出した。
「ああ、洩れます...。だめです、トイレに行かせてください、看護婦さん...。お、お、おねがいですぅ...」
「あらあら、だらしがないですね、もうすこしの辛抱だから、ガマンしてね」
「あ、いや、駄目ですぅ...」

 智は、脂汗をにじませ、必死に哀願している。その顔は東大出のエリート官僚にはまったく見えない。ただスカトロ好きな下着女装子が診察台にいるだけだ。
「い、一度だけ、トイレにいかせてください。そうすれば、あとはずっと我慢しますからぁ...」
「だめよ、今日はお手洗いでウンチなんかさせませんからね。覚悟してくださいね」
「おねがいです...。いかせて下さい、看護婦さん」
「しようがないわねぇ。いまから弱音を吐くなんて、困った患者さんですね...」
 こういいながらも、結衣は便意がもっと起こるように、マッサージを続けた。グルグルグゥという蠕動音が部屋中に響きだした。
「あらあら、すごくいいじゃない。便秘のウンチが智クンのおなかのなかで動き出してきたようよ。あと、3分がまんしましょうね。そうすればいっぱい出ますからね...」
「いやぁ.....、がまんできません」
「だいじょうぶよぉ」
「トイレに...、トイレに、いかせてください..」
「我慢できますでしょ」
「ごめんなさ...い。い..か..せ..て、ください」

 智の顔は苦痛で歪み、ショーツのなかではチロチロと薬液が漏れ出してきた様だ。それをロリエが受け止めていて、幸いにベットも白のショーツも汚れていない。しかし限界であることには違いない。
「まだ、1分も残っているのに、しょうがないわねぇ」
「ごめんなさ..い。でも....」
「でも、何よ!」
「がまんできないんですぅぅ」
 搾り出すような声が智の切迫感を裏付けている。
「しようがないわねぇ。トイレにいってもいいわよ」
「あ、ありがとうございます...」
「でもね、この部屋のトイレを使っちゃだめよ」
 そう、ここはラブホテルのSMプレイルームだ。トイレもいろいろとある。結衣はそのなかで1番小さいトイレを持ってきた。そう、ホーローの「おまる」だ。それを白いタイル貼りの床においた。智は排泄したければ、そこにしゃがんで尻を丸見えにしなければならない。
 しかし羞恥心よりは排泄欲には勝てなかった。白いスリップとショーツという下着女装姿の智は「おまる」の上にしゃがみこんだ。
 自宅でプレイをしているときはもっと我慢できたし、我慢しているのだ。しかし今日は違う。これは女装の看護婦である結衣に施術されているという被虐感からであろうか。
「恥かしいです、看護婦さん...。見ないでください...」
「いいじゃない、我慢しちゃだめよ。智クン、思い切りだしちゃいなさいね」
 この言葉が我慢という堰を壊した。智は膝をかかえて思いきり力んだ。はじめに透明なグリセリン液が流れでる。つづいて、胡桃色の粘液がこぼれ、ウサギが排他するような、コロコロしたオリーブの実のようなポト、ポト、と落ちて、それがホーローのおまるにあたって、大きな音を立てしまっている。


 .......長い排泄を終え、始末を終えても智は診察ベットの前の床にしゃがみ込んでいた。そんな下着女装の智の目の前に腰掛けた女装ナースの結衣は、白いストッキングで包まれた脚を組んで、こう言い放った。
「いい眺めね。エリート君が女装しておまるにうんちしているなんて、ちょっとやそっとじゃ、見れないものねぇ」
「いや、いや、いわないでください.....」
 屈辱感と羞恥心で智の頭の中は真っ白になり、そして次の瞬間、四つん這いになると結衣のナースシューズにキスしていた。

「ああ、看護婦さん...」
 智は結衣の親指をペチャペチャと舐めはじめた。
「かわいいわねぇ、M女装の智クン....」
 親指から小指まで丁寧にしゃぶり終えると、智はその唇をふくらはぎから膝に這わせた。それは白という色に魅せられた奴隷のようであった。
 右足を丁寧にくまなく唇で舐めまわすと、次には左足に移った。目の前の宝物を一瞬でも逃がすまいとするような真剣さが智にはあった。そして真剣になればなるほどキスをする音がおおきくなり、それが診察室を模したプレイルームに響いた。

「ああ、ボクの夢だったんです...。こんなにして看護婦さんの脚にキスするのが...」
 20分以上、智は白い脚を楽しんだ。さすがに疲れたのか、智は膝の上に顔を置いて、上目づかいに美人ナースの結衣を見つめている。
「かわいいのね..。まるで甘えているペットちゃんのようね」
 結衣は優しくいうと、渡辺雪三郎がデザインしたデザイナーブランドの白衣のスカートを裾を開いた。
「あっ、」
 智の目の前に突如として白い洞窟があらわれた。
「さあ、入ってきていいのよ..、智クン」
「いいんですか? ほんとうですか?」
 智はおずおずの顔を前にすすめた。その瞬間、結衣はスカートを智の頭にかぶせてしまった..」
「うれしい..。目の前がまっしろです。すごいです、最高です....」
 智は白い天国に喜びの声を上げた。
「智クンは真面目でいい子ちゃんだったから、スカートめくり、したくてもできなかったんでしょ? したら、ママにおこられるものね、担任の先生におこられるものね...」
 スカートの上から結衣は智の頭を撫でながら、やさしく聞いてあげた。
「そうなの...。ほんとうはしたかったの、でもボクはいい子にならないとだめだからできなかったの」
 スカートのなかから智の小さな声が聞こえてくる。すこし涙声になっているようだ
「そうよね、智くんはずっとがまんしていたんだもんね」

 結衣が使った手法はカウンセラーがよく使うものだ。こうして自己開示させると、それまで智をしばっていた抑制がとれて「弾ける」のだ。
「いいのよ、智クン。今日はね、なにしてもいいのよ。したかったこと、されたいこと、なんでもしていいのよ。誰もおこる人なんか、いないからね...」
「あ、ありがとうございます...」
 こういった瞬間、目の前にある白のストッキングとショーツで包まれた固い剛直に激しいキスをしだした。飢えを癒すような激しい口唇愛撫だ。
「ああ、看護婦さん...。ボク、しあわせです」
「うふふ、あわてなくていいのよ...」
 結衣は腰をうかすと、ストッキングとショーツを太腿まで下ろした。しかし、智はまだスカートの中だ。

 智の舌先がおずおずと結衣のペ***スに触れた。最初はやや逡巡したようだが、すぐに唇でパクッと咥えてしまった。
 智の大きくのそかせた舌先が結衣の大きく膨脹した肉棒の先端から茎の中程にかけて小刻みに動き出す。舌を平にして舐め上げたり唇をすぼめて吸い上げたりをくり返す。
「すごく、じょうずねぇ、智クン」
「自分でも信じられないんです。こういうことするの、初めてだし...」
「初めてとは思えないわよ...」
 そう、そうなのだ。智は生まれて初めて、男性の器官をフェラチオをしている。軟らかいショーツの感触、ブラで締め付けられる胸の感触、怖くてやさしい女装の看護婦、そして男では感じることができない被虐の快感、...。いろいろな要素が混ざり合って、智には「トランス」してしまったのだ。トランスしてしまえば、口唇愛撫することもほとんど抵抗ががない。


 白いタイルのプレイルームには、白衣を着た美人の看護婦とほっそりとしたスレンターなブラとショーツの「美女」がいる。それだけでも淫靡な絵柄ではあるのに、「チュボチュボ」という智のフェラチオのいやらしい音と「アウ、アウン」という結衣のセクシーな吐息がテンポのいリズムで響いている。
 智は身体の芯まで痺れるような快美感に浸りながら、巧妙な舌使いでいっそう硬くなって来た結衣のペ***スを口を開いて咥えこみ、狂おしく頭を揺さぶってしゃぶり抜いている。もう心の中から智は「女」になっている。白いショーツの尻を浅ましくも左右に降り出している。これはもう処女喪失を求めているとしか考えられない。
 智にペ***スを含ませたまま、結衣は診察台ののテーブルに手を伸ばすと、コンドームと潤滑剤を手に取った。
「お浣腸はしてあるから、智クンは準備は大丈夫よね....」


 そして数分後、高級官僚の卵はブラとショーツをつけたまま、美人の女装子ナースにアナルをバックから犯されるのだった。
 「アッ...、イタ...イ....」
白いタイル張りのプレイルームには智の短くそして鋭い悲鳴が響き渡った。しかし、それが喜悦の声に変わるのにはそんなに時間はかからなかった。その意味でいえば、結衣は智を天国に導く白衣の天使だったのかもしれない...。
                                   <完>
                                     

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