エスコートコンパニオンの誕生

 オフサイドトラップを読み返していたら、結衣ちゃんもので何か書いてみようという気になりました。

 以前に書きた小説の後半部分を濡れ場にして全面改定です。これもいちおう96年の時代にしています。(コーイチロー記)

<TVのエスコートコンパニオンを募集します。初心者・素人の方でも懇切丁寧に指導いたします。当会の顧客は全員身元のしっかりした紳士ばかりですから安心です。ご希望の方は簡単な面接を行いますので、ご連絡ください>
 こんな3行広告が女装雑誌「インナートランス」の片隅に載っていた。
 ボクは、その広告を見た時からドキドキし始めた。
「応募しちゃおうかな。でもちょっと怖いかも....」
といいながらも、会社の帰り道に公衆電話ボックスに入り、テレカを差し込んでダイヤルをプッシュしてみた。
 電話に出た女性は優しく丁寧に場所とシステムを教えてくれた。それと女装用品だが、事務室に一式そろえてあるので、肌の手入れだけしてくればOKだそうだ。
 「面接日は今週の土曜日でいいかしら? 7時に来ていただけます?」


 「あら、すごい美人さんじゃない。すごくお綺麗よ」
 倶楽部のオーナーである玲子ママは、お化粧を終え、ピンクのニットワンピースを着たボクを見て、驚きの声をあげた。
「あなたなら、最高のSランクになれるわよ。今でもうちは何人もそのランクはいないんだから」
「ありがとうございます」 
「でも、最初はAランクからスタートしますね。これはここの決まりなの。このランクは3時間で30k。倶楽部に10k、残りはあなたのもの」
「そんなにいただけるんですか?」
「ただ、下着とウィッグと化粧品は自前ね。お洋服は自分のものが基本だけど、ここにあるものは自由に着ていいわ。ただクリーニング代として、1着1000円いただきますけど」
 かなりシビアなんだなとおもったボクだけど、広いクローゼットにある色とりどりの洋服、それも派手派手のオミズ系のスーツから地味地味の紺のOL制服まで、その時の気分に合わせて着られるのはすごく魅力的だ。


「出勤は最低でも週1回はおねがいするわね。ご自分のお仕事の都合もあるでしょうから、日曜日までに、翌週の出勤日を教えてくれればいいわ。だいたいでいうと何曜日がこられるの?」
「金曜日の夜から土曜日の夜までなら大丈夫だとおもうんですけど....」
「それなら助かるわ。土曜日の今日もそうだけど、金曜日と土曜日はお客様が多くて、コンパニオンさんが足りなくなっちゃうのよ。ほら、今晩はまだこんな時間だというのに、倶楽部には誰も残ってないでしょ....」
「すごいんですね....」

「あっ、そうそう大事なことをお聞きするのを忘れていたわ」
「なんでしょうか?」
「男性の方と....、経験は.....、あるわよねぇ.....」
 その質問を聞いたとき、ボクは急に顔が赤くなってしまった。
「あの........、家の中が多くて、女装クラブとかにはいったことはあるんですけど」
 まるで答えになっていない....。

「ふふ、清純派なのね.....。男性を受け入れたことは?」
 ストレートな質問だった。おもわずボクは首を振ってしまった。
「バージンちゃんなんだ....。大丈夫かなぁ...」
「だいじょうぶです、...だとおもいます.....」
 小さな蚊の泣くような声でボクは答えた。
「まっ、あせらないことね....。その点は私が気をつければいいことだから....。じゃ以上で、面接はお終いです。ありがとうございました。」
「よろしくおねがいします...」
「あっ、そうだ、お名前はなんてする?」
少し考えてボクは「結衣でお願いします」と決めた。ここにコンパニオンの結衣が誕生したのだった。
「結衣さん、結衣ちゃん、結衣....。いい名前じゃない。ご用事がなければどうぞゆっくりしていってね。.....」

 ボクはドキドキがまだ収まらなかった。
「今日は疲れたから帰ろうかな?」と呟いて、用足しとお化粧直しにパウダールームを使わせてもらった。大き目の鏡の前にはいろいろな化粧品や化粧用具が揃っていたので、思わず試してしまった。
 パウダールームから出てくると、いつの間にか玲子ママのとなりに見知らぬ男が立ってた。
「あっ、こちらはお客様のKさん。会社の接待の予定が流れたそうなので、遊びにいらしたの。こちらのKさんは、会員さんのなかでも礼儀正しく優しい方ですよ」
「はじめまして、Kです」
 こんなところで本名は名乗らないだろうが、優しそうで礼儀正しそうな40代の男性だった。
「あっ、今日面接にまいりました結衣です。よろしくおねがいします」
 ボクも出来るだけ上品に挨拶を返した。
「へぇ、ママ、結衣ちゃん、いい子じゃないですか。このごろこれだけ丁寧に挨拶できるこは珍しいよ....。美味しいチリワインを買って来たから、みんなで飲みませんか。モッツァレラチーズも持って来たし....」
「あら、いいですね、結衣ちゃんも飲まない?」
 こういうと玲子ママはワイングラスを取り出して、ソファセットのテーブルの上に置いた。

 チリワインが一本空いた頃に玲子ママは部屋の灯りを暗く落し、テーブルの上のキャンドルグラスに火を入れた。ゆらゆらと揺れる炎は部屋のなかに淫靡な雰囲気を漂わせ始める。すると素早くKさんはボクの右隣に移ってきた。そして、左手はボクのワンピースからのぞく脚をやさしくタッチしはじめたのだ。ストッキングの上から愛撫される快感がこんなにいいものだとは.....。

「あの、今日は面接だけじゃなかったんないですか?」
 ボクは戸惑って、左隣にいるママに小声で尋ねた。
 するとママはあくまでもクールに言った。
「無理にとは言いません。でも、再来週から始めるのも、今日から始めるのもそんなに変わりはないと思うの。むしろも今日のほうが思いきりがつくんじゃないかしら.....」
「........」
 ボクはなんとも返事ができなかった。
 怖さもあるが、ワインの酔いはボクの身体の奥の部分に微かな火をつけていたのだ。

 すると次の瞬間、Kさんの手がボクの顔を優しくさわり、そして唇を寄せてきた。
 最初は何が起こったかわからずに小さくイヤイヤをしたが、ついにはボクはKさんの舌を受けいれていた。
 男の人に抱かれて、キスをされる。自分の口のなかで動き回る男性の舌というのが女の子にとってこんなにも感じるのかということを実感しているうちに、ボクは身体中の力が抜けてしまい、身体をKさんに預けてしまったのだ。
 「もうどうなってもいいの......」

 その言葉を待っていた様に、Kさんは絨毯に座りこんで、ピンクのニットワンピースの裾から伸びたボクのストッキングに包まれた脚を丁寧に愛撫しだした。
 ゆらゆらと揺れる蝋燭の炎は、アーモンドブラウンのスーパーサポートのパンティストッキングをよりセクシーに映し出しているようだ。
 エナメルのハイヒールを恭しく脱がせると、Kさんさんはストッキングの爪先を愛しいもののようにキスをした。
「やめ...て...ください...。汚いですよぉ.....」
「ふふふ、汚くはないさ…。ストッキングの半月につつまれた女の子の爪先はなんてセクシーなんだろうね。それとさ、結衣ちゃん、ここは案外に感じるところなんだな」
「.........」
「足の親指は直結しているのさ....、乳首とクリペニちゃんに!」
こういうとKさんはボクの親指の先端をタンタンタンタン....とリズム良く小刻みに叩き始めた。薄いナイロンを通しての刺激が、不思議なことに、乳首に上ってくる。自然と息が切なくなってくる。こんなことってあるんだろうか。Kさんの催眠術にかかった様に、親指への刺激が直接性感帯を通してビンビン乳首とクリペニに感じてしまった。

「あーーーーん、いや、ほんとに感じちゃう….」
 ボクは本当に乳首やクリペニを愛撫されているような夢心地になってしまい、自然とせつない声をあげてしまっていた。
 こんなボクの喘ぎ声を聞くとKさんはますます意地悪になってきた。
 土踏まずからふくらはぎ、膝の裏、そして内腿という脚の性感線をKさんは責めてくる。
 自分の手の小指と薬指の爪を逆立て、ボクのストッキングにあたるかあたらないかという微妙な感触で「サァーーー」と掃いてくる。
 まるで奇妙な虫がボクのストッキング脚を上ってくるみたいだ。すごく感じる。
「やめて....ください.....」
「やめられないよ.....。こんなにピクピクしてんだぜ」
 彼のいう通り、ボクの身体はピクピク痙攣が止まらない。
「あーーーん、変になっちゃう」
「変になればいいさ...。女の子のエクスタシーを感じてごらんよ...」

 すごく刺激的なことをKさんは言ってきている。しかし女の子はストッキングの上から触られただけでこんなに感じているのか。
「そーら、そーら、そら!」
 Kさんの意地悪そうな声とともに、悪魔の爪が足の性感帯を何度も何度も上下させられた。
 そしてそれとともにボクの興奮度も青天井に上っていってしまった。そして、恥かしい話だが、ピンクのワンピースのある部分が大きくなってしまった。
 すごーく恥かしい。 今日はガードルで締めていないので、すごく自然な感じでスカートが持ちあがっているのだ。
 それを見逃すほどKさんは甘くはなかった。

 Kさんはボクのニットのワンピースの裾を両手でつまむと、ジワリジワリとあげてくる。
 それとともにアーモンドブラウンのストッキングにつつまれた太腿が露わになってくる。会社のオフィスで隣に座っている女性の太腿にふと目がいき、あの紺の制服のスカートをたくし上げたいという淫らな願望を持つことがあったが、ああ、ボクはいまそれと同じことをされている。
 Kさんは太腿の付根のところで裾を上げるのを止めた。
 「ふふっ、すごくセクシースタイルだよ、結衣ちゃん。まるでキャバクラの女の子みたいな超ミニだよね」
 「恥かしい......」
 ぼくはため息と小さな抗いの声をあげるだけしかできなかった。

「キミはいい女だから、この倶楽部のナンバーワンにすぐなれるさ..」
「.........」
そして、ついにKさんは裾をウエストのところまで、全てたくし上げてしまった。
「すごくいい眺めだよ、結衣...」
 アーモンドブラウンのパンティストッキングにアイボリーホワイトのショーツが透けて見えてしまっている。それを見られるだけでも恥かしいのに、ショーツは小さなバナナをはさんでいるように膨らんでいるのだ。
「清楚なお嬢さんがこんなものをつけているなんてねぇ...」
「あーん....」
 Kさんはストッキングの上から、「ボク」を優しく握り締めた。
 正直なところボクのはそんなに大きくない。サークルの合宿とかでも恥かしくて、いつもタオルで前を隠していたのだ。でも、Kさんはそんな「ボク」を誉めてくれた。
「女装子ちゃんとして理想的な大きさと固さだよ」

 Kさんは慌ててしごき立てるようなことをしなかった。ストッキングとショーツのシルクの感触に包まれているだけで、感じてしまい続け興奮が高まり続けることを熟知しているようだった。
 でも、数分するとやっぱりボクはKさんが掌を動かしてくれないことがもどかしくなってきてしまった。
 信じられないことに、ボクは腰を動かし始めてしまった。Kさんの掌の中の「ボク」を自分から上下させて快感を得ようとしたのだ。
「おぉ、すごくイヤらしい腰の動きだねぇ...。もっともっと激しく動いてもいいよ」
「あーーーーん、気持ちいいーーー」
「ショーツはもう大きな染みができているぞ...」
「いやーーーーん、は..ず..か..し..い.」
 ボクの腰の動きは止められなかった。アダルトビデオの女優みたいにイヤらしく淫乱に腰を振り続けた。もうショーツの前はグチョグチョになってしまっている。

「アーーン、いきたいよぉ...」
 でも、ストッキングとショーツの上からの刺激だけでは限界がある。それにKさんは手を動かしてくれない。スゴーク感じている、でもボクはイクことができない。生殺しになったボクはKさんに哀願するしかなかった。
「お、おねがいですから、もっと気持ちよくしてください....」
テーブルの上のキャンドルは妖しくゆらめくだけだった…。

「ふふっ、結衣クンは可愛いねえ。子猫のような目で訴えてくるねぇ...」
 そう、ボクは子猫のようなものだ。
「ニャーン」と甘えた声を出してみた。
「それではリクエストにお答えしますか...」
 ゆったりとした口ぶりとは逆に、Kさんは素早く動いた。
 ボクのウエストに手を伸ばすと、ストッキングとショーツをザッと素早く引き下ろした。「あッ...」
 ボクはあまりの早業に息をのんだ。そして、ストッキングとショーツは膝のところに丸めて引き下ろされ、可愛い「ボク」は天井に向かって立ちあがっているのだ。

「すごくいい場面よ、1枚お写真とらせてね」
 玲子ママはコンパクトカメラのシャッターを立て続けに切った。
 フラッシュに浮かぶボクの姿は確かにすごくエロチックだ。
 ピンクのニットワンピースを着たお嬢様系の女性が、裾はウエストまでたくし上げられて、ショーツとストッキングは膝までずり下げられている。しかし股間には男性にしかない欲望器官が天を仰いでいる。
 一級のアダルトビデオのヒロインになったような気分でフラッシュを浴びた瞬間、Kさんはボクの股間に顔をうずめ「ボク」を滑らかに咥え込んだ。

「エッ?、アッ?」
 予想外の展開に一瞬何が起こったかわからなかった。
<まさか、Kさんにフェラチオされるなんて....>
 Kさんのフェラチオテクニックは絶品だった。
 大きな口で「ボク」全体を呑み込み、そして唇を絞って吸い上げてくる。
 チュボ、という音を立てて亀頭を離すと、こんどはグランスだけを咥えた。
 グランスの溝を唇で回転させならが締め付けたり緩めたりされると、露わになった亀頭がパンパンに充血してくるのがわかる。
 そうするとこんどは亀頭と尿道口を尖らせた舌でチョンチョンチョンと突いてくる。
 正直なところ、ボクも過去には何人かの女の子とセックスしたことがあった。でもその中の誰よりもKさんのフェラチオは上手で気持ちがいい。
 もう身体を起こしていることはできなかった。
ソファに上半身をもたらせかけて、両足を開いてKさんの口撃を受けている。

 下半身は熱くなり、そして自分のものではないような感覚だ。アソコの周りは、ボクの我慢汁とKさんの唾液と汗でグチョグチョになっている。「ボク」から垂れたこれがアヌスを通ってソファに小さなシミをつくっているくらいだ。
 でも、痺れる下半身のなかでも、Kさんの口の中にいる「ボク」だけは違う。
 Kさんの喉の奥まで含まれたり、チロチロと裏筋を舐められたり、チュボチュボと吸われたりする度に、ボクは背を仰け反らせ、足の親指を痙攣させ、隣に座ってくれた玲子ママの手をギュッと握り締めて快感に抗うとした。そうしないとエクスタシーの深穴に落ちていきそうだったからだ。

「あーーん、すごいですぅ...。ボク、いきそうです....」
 もうどれくらいKさんの口撃を甘受していたかわからなくなってしまった。ボクの快感の抵抗も限界になってしまった。
 フェラチオを続けるKさんに変わって玲子ママが優しく応えてくれた。
「うふふ、かわいいのねえ、結衣ちゃん。Kさんはね、女装子ちゃんを天国につれていく達人なのよ….。女の子のエクスタシーを初めて感じられるから...」
<女の子のエクスタシー、感じてみたい....>

 こうした期待がボクの顔に出たのだろう。
 Kさんはフェラチオを止めると、左で「ボク」を優しく握りなおすとともに、ラブジュースで濡れだしたボクのアナルの周りをゆっくりと愛撫しはじめた。
<えっ、どうして?>
 アナルのところもいろいろなボクのジュースがたれてグチュグチュだったからすごく気持ちがいい。
「もうちょっとよくみせてよ、そうだ、両手でひざを抱えてごらん....」
 Kさんはやさしくこう命令した。
 言われたとおりにすると、ボクはまるで赤ちゃんがオムツを取りかえられるような格好になってしまった。上げた膝にはアイボリーホワイトのショーツとストッキングが絡まっている。なんともいえない被虐の快感を感じてしまう。

「ふふふ、恥かしい姿だねぇ、結衣ちゃん....」
「い..や...、いわないで...ください...」
「そういうわりには、ここがさっきよりも固くなっちゃっているよ...」
「そんなこと....、ありません....」
「それはどうかな....」

 へんな抵抗をしたからだろう、Kさんはボクのペニクリをゆっくりとやさしく微妙なタッチで上下させてきた。同じ男性だから、どうされたらボクが感じるかは手に取る(実際にペニクリが手に取られているが)ようにわかるのだろう。ヘタな風俗嬢の数倍も気持よく撫でてくれる。
「アーーーン....」
「そうそう、女装子の身体は正直だよね...」
 Kさんは勝ち誇った様にボクの耳元で囁いた。

「Kさん、これね..」
「あっ、ママ、ありがとう。助かります....」
 ママがなにかヌルっとしたものをボクのアナルの周りにたらした。
「あっ、結衣ちゃん、安心してね。ぜんぜん無害の潤滑ゼリーだから....。これは舐めても大丈夫なのよ...。これとコンドームはコンパニオンさんの必需品よ、覚えておいてね」
 こんな状況では覚えられるものか。

「ほうら、結衣ちゃんの蕾が大きく口を開け出したよ。すごく奇麗だよ」
「恥かしいです...」
 ほんとは手で顔を覆ってしまいたいくらいだ。でも膝を抱えて入るので、それもできない。
 ヌルヌルになったアナルをKさんは丹念にマッサージしてくれている。くすぐったいような、トロンととろけるような快感がアナルから腰に伝わり、そして先ほど開発されたばかりのボクの性感帯を伝わって全身に流れていく。そして、それが全身に伝わった頃を見定めて、Kさんは指をゆっくりとアナルの中に挿入させてきた。

 最初の一瞬だけ異物が入ってくる畏怖感があったが、それもすぐに快感に変わってしまった。どんな快感といっていいのか。「男」のボクでは全く経験していない気持ちよさだ。
 Kさんは指を第3関節の付根まで差し入れると、ボクのアナルの奥でターンするように、こんどはもっとゆっくり引き抜いてくる。そして爪の先が抜けるか抜けないかというところでいったん止めると、ボクがじれったさを表情にだすまで、その位置でとめているのだ。何という意地悪...。

「おねがいです...もういちどいれて..ください....」
「いやだと言ったら?」
「イジワルはやめてぇ...」
 もうボクは半泣きで哀願していた。

「それほど結衣ちゃんが言うならね...」
 そしてまた指をゆっくりと差し入れ、そしてやはりゆっくりと引き抜いていく。これを十何回も時間をかけて繰り返すのだ。
 それだけではなく、Kさんの左手はボクのペニクリを制圧している。ご丁寧にママはこちらにもゼリーを垂らしてしまった。クチュクチュしたKさんの掌の中の感触は女の子のオ○○コの数倍の気持ちよさだ。しかしKさんはテクニシャンで、快感が射精に届く一瞬前で愛撫を止めてしまう。そして快感が遠のくと掌の快感地獄を再開してくる。アナルもペニクリも焦らされて、そしていきたくてもイケナイ。そんな天国というのか地獄というのか、快感の罠に嵌ってしまったボクは身体中がブルブル震え、歓喜の声を腹の底から叫び上げ、ソファの上での一匹の牝獣と化していた。

「Kさん、そろそろ...、バージンちゃんを....」
「そうだね、結衣ちゃんの顔に書いてあるしね」
 そういうと、Kさんさんはボクの耳たぶを舌でくすぐると、<あなたが欲しい、あなたのオチンチンが欲しい...>と書いてあるよ、と囁いた。
 その言葉を聞いて、恥かしくて思わず
「イヤ! そんな...こと..ないで..す..」と応えてしまったのだが、ベテランのKさんはそんなことは百も承知している。
「イヤもイヤも、イイのうち...と言うからな。これは純女も女装子も同じさ..」
 そういうとKさんは素早くズボンとブリーフを脱ぐとタイミングよく玲子ママがコンドームとゼリーを渡した。

「リラックスしてね、怖くないからね...」
 Kさんは優しく語りかけてくれる。その言葉でいくぶんかボクはほっとした。
 処女を失う女の子もこんな気持ちなのだろう。
 少し緊張のとけたボクの顔を確認すると、Kさんはボクのショーツとストッキングを完全に取り去り、ボクの足を持ち上げて肩に載せてボクの頭の方へ押し上げた。
 足が拡げられたので、ボクの菊の蕾が丸見えになっている。
「お腹の力をぬいて、ハアーと息を吐いてみてね...」
 言われた通り、お尻のあたりの力を抜いて小さな声で「ハァー」と息を吐いた。
 その瞬間、Kさんは大きく固い彼自身でボクを貫いた。

「アウッッッ....」
 痛さを覚悟して悲鳴をあげそうになったボクだったが、前戯で丁寧にアナルを軟らかくされ、そして指戯で奥のほうまで潤滑ゼリーが行き渡っているので予想したほどの痛さが無い。むしろ気持ちイイのだ。菊の蕾が花開いてKさんを受けいれると、ボクの『ヴァギナ』は積極的にKさんのものを締めつけている。ボクの意思とは関係なくだ。
<ボクが男の人の下になって正常位でセックスされている...。脚を開かされて、男の背中に手を回している...>
 こう思うと、身体中がカァと熱くなった。
 ウィッグがずれないか、お化粧が崩れないか、ということにもう気が回らなくなってしまっている。
 Kさんは真剣にボクの目を見ている。視線を合わせると本当に愛する人を受けいれているような感じになってしまう。

「ああああああ・・・・・感じるぅ・・・・・・・・・・ 」
 思わずボクはあえぎ声を上げてしまった。それも女の子のようなソプラノのような声で...。
 その歓喜の声でより興奮したのだろう。Kさんのボクを突く力はより激しくなった。そして彼の剛直がより大きく固くなっている。それをボクはヴァギナで感じてしまう。
 処女喪失(?)ということもあって、Kさんはセーブしながらストロークしてくれている。でも、そしてボクの腰は彼のタイミングに合わせて動いていた。
 ボクは恥かしくて顔を横にしてみたが、そこには姿見があって男の人にセックスされている女装子が映し出されている。その娘は苦悶とも歓喜ともとれる表情をしている。その姿をみたら、ボクの身体の痺れ出した。
「そろそろ我慢の限界だよね? 昇天させてあげるね....」
 Kさんはボクに覆い被さっている上半身を起し、ボクのペニ○○スを自由にした。
 すると隣にいた玲子ママが素早くペニ○○スを握り、再びゼリーを垂らした。クチュクチュという音がいやらしく響きだした。
 いや、もう一個所クチュクチュというイヤらしい音をたててるところがある。ボクのアナルだ。Kさんの固い剛直がゆっくりとしたストロークでボクの中を突き刺し、引き抜いていく。Kさんの剛直が引くとき、彼のカリの部分がボクのお尻の入り口近くにあたる。 
 そうすると全身に電気のような快感が快感が走り、目の前が真っ白になってしまう。

「あぅぅぅぅ、すごーーい、死んじゃう......」
 ボクは大声を張り上げて泣き叫んでいた。 
 男の子のときはこんな快感はしらなかった。女装子になって男に抱かれて初めて知った喜びだ。
「おっ、どうやら結衣ちゃんの前立腺はここのようだね....」
 こんなことをいうとKさんは金脈を見つけたように、ここを集中してついてくる。突かれるたびにボクは「おぅぅぅぅぅ... あうぅぅぅぅぅぅぅぅぅ....」と獣のような声で叫び続けた。

「ママ、そろそろ、このお嬢さんも限界だよ....」
「ふふ、イジワルもここまでにして、イかせてあげましょうか...」
 そういうと、Kさんはボクの前立腺を責めるストロークのピッチを上げ始めた。
<ドワン、ドワン、ドワン> 
 こんな音はするはずがないが、前立腺からの快感がボクの脳髄にはこんなに激しく響いているのだ。そして玲子ママの掌はボクのペニ○○スを緊く握り、絶妙のタッチでしごき上げている。ボクの頭の中は真っ白になり、身体はボクの意思とは関係なく狂ったように動き出している。特に腰はグワングワンと激しい動きをしている。恥かしいがまるでAV女優のようだ。

「あぁぁぁぁぁぁぁ、ガマンできないよぉ.....」
「ふふ、まだまだ...」
「イヤン... いきたいよう.......」
「そろそろね...」
「オ..ネ..ガ..イですぅ... いかせてください.....」
「いい子ねぇ、結衣ちゃんは...」
「ママ、じゃ、いかせちゃおうか! それ...」

 この言葉を合図に、『ヴァギナ』の中ではKさんの剛直が暴れまくり、玲子ママの10本の指はボクのペニ○○スをしごきまくった。
 そして数秒後、
「いっちゃ…..うぅぅぅぅぅぅぅぅ.....」
 ボクはおなかのそこからこの言葉を絞りだすとともに、天国に駆け上ってしまったのだ。
 白い樹液を勢いよく虚空に飛ばした正にその瞬間、Kさんの律動とコンドームを通して彼のザーメンの迸りを感じてしまった。
「あぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ......」
という絶叫とともに、オトコとオンナのエクスタシーを生まれて初めて同時に体験したボクは快感の大渦に巻き込まれ気を失ってしまったのだ.......。

 どのくらい時間がたったのだろうか。
 ゆっくりと意識が戻るなかで、ボクは隣の部屋のこんな会話をぼんやりと聞いていた。

「初めてだから、どうかなと思ったんだけど、ママ、あの子は大丈夫だね」
「Kさんありがとうございました。私もその素質ありとは見ていたんですよ」
「かなり高めの料金設定でも、お客はいっぱいつくと思うよ」
「私もそう思います」
「もう一回だけ俺に預けてよ。女装外出させて高級ホテルに泊まらせてみるからさ。そこで一晩徹底的にトレーニングすりゃ、純女のオ○○コ以上に気持ちよくなるような名器になるよ」
「じゃ、来週にでもおねがいしますね。再来週からはエスコートの予約が入るように、永田町や霞ヶ関のVIPさんたちに電話しまくっちゃお...」
「さすが玲子ママ、営業力があるねぇ....、ここの倶楽部が繁盛するはずだねぇ...」
                                  <おわり>

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